Hug garden

植物の育て方

害虫駆除

病害虫駆除の目的

病気や害虫により、樹木が著しく損害を受けて美観が損なわれるのを未然にもしくは最小限に防ぐことです。

病害虫駆除の時期

発生時期は、それぞれの病原菌・害虫の種類及び天候により異なります。
害虫の発生時期はほぼ4~10月の暖かい時期なので早期発見、的確な予防を行うことが重要です。
目安としては定期的(2回程度/年)に行うのがよいでしょう。

病害虫駆除の方法

病原菌・害虫の種類により薬剤は異なりますが、ほとんどの薬剤は液状のものを動力噴霧器で散布します。
散布薬は葉から流れる直前で止めるのが効果的です。
散布は、風のない午前中を選んで散布するようにします。
雨の後や高温、強射の日中は薬害が出やすく、夕方は病気が蔓延しやすいので避けたほうがよいでしょう。
薬剤の種類は、病気と害虫の名称を薬剤容器のラベルで確認するとよいでしょう。

注意の必要な害虫チャドクガ
注意の必要な害虫チャドクガ

幼虫は集合性が強く、整然と並んで食害します。体色は黄色~黒褐色。成幼虫ともに毒刺毛をもち、風または飛来でこれを撒き散らす。脱皮殻や死骸にも注意が必要です。ので注意が必要です。触れると赤くはれ上がり痒くなり、痒みが長期にわたり厄介です。チャ・ツバキ・サザンカに多く発生します。アディオン・ディプテレックス・スプラサイド等で駆除します。

注意の必要な害虫イラガ
注意の必要な害虫イラガ

雑食性で多種類の樹木の葉を食害します。本虫独特の先の尖った毒刺毛に触れると、激しい痛みを感じて危険です。色々な色・模様のイラガがいます。写真はアオイラガです。アメリカフウ・エゴノキ・カエデ・カキ・ヤマモモ他に多く発生します。スミチオン・ディプテレックス等で駆除します。冬の剪定時に越冬マユを取り潰しておくのは、確実で有効な防除となります。

植物の病気

モチ病
モチ病

主に葉に発生します。侵された部分は膨らんで奇形になり、白い粉状物を露出し、黒褐色となり枯死します。(黒く腐ってくる)5~6月、8~9月の2回降雨が多い年で日当たりの悪いところに発生が見られます。部分的に集中発生します。

〈防除法〉
病患部は伝染源となるので、白い粉状物を出す前に摘み 取って焼却します。バシタック水和剤75の1000倍、Zボルドー500倍などが有効です。冬季の石灰硫黄合剤の散布も有効です。例年発生する場合は、数年がかりの防除となります。

〈主な樹種〉
ツツジ・サツキ・サザンカ・ツバキ類など

スス病
スス病

葉に黒いスス状のものがつき、葉が汚れて見えます。葉の日当たりが悪くなって、光合成が出来ずに樹勢が衰えてきます。一般的には、カイガラムシ類・アブラムシ・コナジラミなどの排泄液にスス菌が繁殖する場合が多いようです。

〈防除法〉
通風や日当たりを良くするための剪定を行います。アブラムシやカイガラムシを取り除きます。ロウムシなどの幼虫発生時期(6~7月頃)カルホス乳剤・ スプラサイド乳剤・スミチオン乳剤の1000倍液などを数回散布します。冬季のマシン油乳剤60倍の散布も有効です。

〈主な樹種〉
サルスベリ・シイ・モチノキ・モッコクなど、ほとんどの樹種。

ウドンコ病
ウドンコ病

白い粉状の斑点ができ、やがて葉全体が白い粉を吹いたようになります。カビが葉面を覆うので、樹勢が衰えます。盛夏の高温時には病勢が一時衰えますが、秋には再び活 動を開始し、病状が進展します。

〈防除法〉
病落葉は集めて焼却します。冬に石灰硫黄合剤70~80倍液を散布すると越冬菌の活動を抑えることができ、かなり有効です。発生初期にトップジンMやベンレートなどの殺菌剤を散布します。生育期にはミラシネン水溶剤1000倍(8回以内)、モレスタン水和剤2000~3000倍、バイトレン水和剤5の1000倍などを6月頃~9月頃まで月2回程度散布します。盛夏の8月は散布しなくてかまいません。

〈主な樹種〉
ウメ・カエデ・ケヤキ・サクラ・サルスベリ・シイ・モモ・ハナミズキなど

日々のお手入れ

草引き

除草の目的

美観上好ましくない事はもちろん、雑草は繁殖力が旺盛な為、樹木の生育を損ないます。放置すると成長を妨げ枯損の原因になることがあります。
病中害の温床ともなります。管理作業の中でも優先して行う必要がある作業です。

除草の時期

雑草の育成旺盛な時期に限定的に行います。3月~10月に適宜除草。個人の庭での除草剤の使用はあまりお勧めできません。

水やり

灌水の目的

樹木は根から水分を吸収し、葉より蒸散を行っています。吸収より蒸散の方が上回ると葉が萎縮したり、落葉したり、枯死する場合があります。
樹木が正常な生育をする為には、土壌中の十分な水分が必要です。

灌水の時期

植付後、枝葉が伸び始めるまでが灌水の最も大切な時期です。夏期は高温で乾燥しやすく、樹木の成長も活発で最も水分を必要とします。
春、秋、冬期においても長時間降雨が無い場合は、灌水が必要です。

灌水の水量

樹種によっても違ってきますが、手撒きの場合20~25リットル/m2程度を目安とします。植栽後2~3ケ月間、1回/2~3日。
5~6月 2回/週
7~9月 1回/日(水量は他の時期の1.5倍程度)
10~4月 降雨がない場合(1回程度/週)
水量は、根元の状態によって調整します。

灌水の時間帯

夏:夕方 冬:午前中 春・秋:適宜

灌水の方法

時間をかけ、土壌深くに水分が達するように行います。表面を流れてしまう場合は、数回に分けて灌水を行います。 中高木類については、水鉢を設け灌水の水がたまるようにするのも楽な方法です。

肥料について

樹木の施肥

施肥の目的

土壌微生物の繁殖を助長させ、樹木の生育を促します。また植物の抵抗を高めるとともに、開花・結実を促進させます。

施肥の時期

1月~2月頃の休眠期(活動を停止している時期)に与える寒肥が基本です。追肥は4月~6月及び9月頃に与えます。
花木や果樹は花後に「お礼肥」として有機質肥料や化成肥料を与えるのも効果的です。

施肥の方法

〈高・中木類〉樹木の幹を中心に葉張り(枝先)の外周下に、深さ20cm程度の溝を掘り(又は穴をあけ)固形肥料等を平均的に施し覆土します。
〈低木類〉植込み内に粒状固形肥料等を均一に散布します。
〈生垣〉生垣の両側に深さ20cm程度の溝を掘り(又は穴あけ)固形肥料又は粒状固形肥料を施し覆土します。

チッ素・リン酸・カリをバランスよく与えることが重要です。
チッ素/植物の葉や幹などの生長を助けます。油カスや鶏糞は多
リン酸/花つきや実つきをよくします。骨粉はリン酸分が主
カリ/根を発達させます。植物性の灰は多
市販の肥料の袋にはN:P:Kで含まれる割合が明記されています。

剪定について

樹木の剪定

剪定の目的

通風や採光を良くし樹木の成長を促進させます。花付きや実の付きを良くします。
こんだ枝や不要な枝を取り除く事によって病害虫の発生を予防します。

剪定の時期

〈高・中木類〉
樹種によって異なりますが、年1回程度剪定を行います。花を楽しむ場合は、花後速やかに行います。(1ケ月以内を目安に)
常緑樹は、6~7月頃・落葉樹は、10~11月頃を目安とします。

〈低木類〉
樹種によって異なりますが、年1回程度剪定・刈込を行います。花を楽しむ場合は、花後速やかに行います。6~10月頃を目安とします。

剪定の基本 樹形を整える
剪定の基本 樹形を整える

枝先ほど細く、幹上ほど細く 出来るだけ切ったことがわからないように自然に近い状態に仕上げていきます。

〈迷った場合の剪定〉
①まず枯枝を落とす
枯枝は必ず落とさなければなりません。小枝が込み合って風通しが悪くなり枯れている場合が多いものです。

②樹形を乱す枝を落とす
●徒長枝/他の枝に比べて勢いがよく、大きく伸びすぎた枝
●立ち枝/枝から垂直に上に向かって伸びる枝
●平行枝/ほぼ同じ場所から、上下左右に並んで平行に、長さや太さ・方向を同じようにのびている二本の枝
●逆さ枝/中心の幹に向かったり下向きに伸びる枝
●からみ枝/他の枝と接触しからんでいる枝 擦れ合って傷がつきます
●交差枝/主要な幹や枝と交差している枝  不自然に見えます
●幹吹き/幹から直接発生した小枝  胴吹きともいいます
●ひこばえ/木の根元や地中から勢いよく伸び出した小枝主幹の勢いを弱めます。
●折れ枝・病虫害を受けた枝/これらの枝は将来的に弱ってきたり、枯れてくる枝や他の成長を邪魔する枝です。ここまで除くとほとんど整枝できてしまいます。枝を外へ外へと伸ばした樹形になります。養分や水分の供給がスズームに行われます。

③バランスをみて枝を切って樹形を整えます

経験することが一番習うより慣れましょう

刈込
刈込

刈込の樹形の形には、玉もの・楕円形・角刈りの生垣・トピアリー等様々な形があります。 はじめての人にも取り組みやすい手入れです。

①基準線を決めます
どのような形に仕上げるか決めます。前回に刈り込んだ形を基準にするのがよいでしょう。

②徒長枝などの樹冠をみだしている枝は、あらかじめ刈込線の奥で切とります。

③以前の刈込線に沿って刈込ます樹冠を大きくする場合は弱めに、大きさを一定にする時は強めに刈込ます。

④樹幹内をスッキリさせましょう 2~3年おきには表面が密生して整うほど、内部は通風や日当たりが悪くなって、小枝や葉が枯れてきます。放置すると、枯れた部分が広がって樹冠の表面に穴があいたり、病虫害が発生する原因になります。内部の枯枝や小枝を枝分かれしている部分で切り落とします。込み合ったところの枝を枝元から間引き枝数を減らすようにします。

⑤施肥
刈り込むと木は疲労します。
刈り込んだ後や花後に、速効性の化成肥料等をやりましょう。

芝生について

芝生の種類

個人庭で使用される芝生の種類についてご紹介します。ほとんどが張芝での施工となります。

張芝のメリットは・・・

・早い使用が可能になります。
・枯れるおそれはほとんどありません。水の管理が重要です。
・早期の地表面の安定が望めます。
・コンクリートや砕石敷きにくらべ、地表の温度の上昇を防げます。
などがあげられます。このようなメリットのある芝生ですが、それそれ種類によって特徴も分かれます。

野芝(ノシバ)

北海道~沖縄まで自生の日本芝でポピュラーに利用されています。高麗芝より葉幅が広く、芝はやや粗いです。
土壌をあまり選ばず、比較的管理が容易です。

高麗芝(コウライシバ)

個人庭や公園でもっとも利用されています。芝質がきめ細かく美しい芝生を作ります。

姫高麗芝(ヒメコウライシバ)

姫高麗芝よりさらにきめ細かく繊細です。個人庭やゴルフ場のグリーンなどに利用されます。

ティフトン芝

暖地型芝生でもっとも繁殖力が強く競技場などで用いられています。学校や幼稚園などで用いられているのもこの芝生です。
踏圧からの回復は早く望めますが、刈込回数が多いデメリットがあります。

省管理型コウライシバ TM9

草丈が在来品種の1/2以下で芝刈りの回数が少なくてすみます。
節間が短い為緻密なターフを形成し、素足で歩いても痛くない葉の柔らかさです。

お奨めの芝生は、高麗芝・姫高麗芝・TM9ですが、TM9は材料費が高くつきます。使用目的等を考慮して選定して下さい。
上記の芝生は暖地型芝生の為、冬は葉が枯れて茶色くなります。 

芝生の管理作業

芝生の簡単な管理目安を紹介します。
工事が終わったばかりで、芝生を植えたての方などはまずはコチラを参考にご覧ください。

芝生の年間管理作業

●芝刈
春期(4~6月) 5月 1~2回/月
夏期(7~8月) 1回/週
秋期(9~11月) 2~3回(11月上旬まで)
冬期(12~3月)

●雑草防除
春・夏・秋期/人力除草
除草剤の使用は極力避けましょう。

●散水
春期(4~6月) 2~3回/月
夏期(7~8月) 3~4日毎
秋期(9~11月) 1回/週(9月) 2~3回/月(10~11月)
冬期(12~3月)

●施肥
緩効性肥料を春・夏・秋期に1回づつ散布します。
緩効性肥料(かんこうせいひりょう)とは、効果が与えた時から現れ、緩やかに長く持続する肥料です。

●病害虫防除
発生時に防除します。

●その他
3月位に目土を補修しましょう。

上記はあくまでも目安です。利用形態・気候・芝生の状態等によって増減してください。

簡単な芝張り

ご自分でもできる簡単な芝貼りをご紹介します。

①下地の整地を行う

石などを取り除きレーキ・トンボなどで均します。水勾配をつける事が大切です。芝生に水が溜まらないようにしましょう。

②芝を張る範囲に灌水をします

芝生を密着させ作業中も芝生が乾きにくくなります。

③芝片を並べていきます

勾配に対して長い方の辺を直角に使用して下さい。タテの目地が通らないように並べて下さい。目地をあけた場合も早く芝生でカバーできます。
雨が降っても溝が出来にくくなります。

④板等で芝生をたたいて転圧します

土と密着させるようにします。踏圧(足で踏む)でも大丈夫です。

⑤目土を散布します

花崗土又は砂を芝生の上に散布し、目地(芝生と芝生の間)へ入るように均していきます。
夏は芝生の葉が見えるように均して仕上げていきます。目土が厚すぎると蒸れて枯れる原因となります。

⑥十分な灌水を行います

芝生の上に水が浮く位の十分な灌水をします。

⑦施肥を行います

化成肥料を50g/m2程度与えましょう。根付いてからの施肥でも大丈夫です。また、目土にまぜておく方法もあります。

⑧根付くまで毎日灌水します

根付くと芝生がはがれにくくなります。白い根がいっぱい出てきています。裏返して見てみるとよくわかると思います。

後は管理作業を頑張ってください。

  

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